「Raging Phoenix(จีจ้า ดื้อ สวย ดุ)」について 5
最近、「Ong-Bak2」「PowerKids」というタイ映画を、日本語字幕なしで、タイ語オンリーで見た。
字幕なしでは伝わらない部分もあるのだが、「Ong-Bak2」では、俳優さんたちの演技だけで、泣けてしまうシーンがあったし、「PowerKids」では、小物の使い方がうまいと思わせるシーンがあった。
「Raging Phoenix(จีจ้า ดื้อ สวย ดุ)」はどうだったのかというと・・・・あまりにも伝わらない部分が多いのだ。
ありとあらゆることが台詞で説明されすぎていて、俳優の演技で伝わるものが少ない気がした。
この映画の主人公は、ジージャー演じるDueなのだが、本来、主人公である彼女が、何か壁にぶつかり、それを色々葛藤を経て克服するべきなのだが、それが伝わらない。
主人公なのだから、もっと彼女のバックボーンなどが描かれるべきなのだと思う。だが、回想シーンの多くは、パトリック・タン演じるSanimなのだ。
彼は、主人公に関わる重要な人物ではあるが、本来この物語の主人公ではないはず。
だとすれば、彼に関するエピソードはもっと簡潔にまとめるべきであり、もっと見せ方に工夫が必要なはずなのだ。
Deuは特別な女の子であり、組織に狙われている。
最初、本人はそれを自覚していない。
それを自覚することで、葛藤が生まれると思う。また、戦う意味もそのあたりから生まれてくるはずだ。
映画から感じ取れる彼女が戦う理由はとても希薄だ。
なぜ彼女は、全くの格闘経験がないにもかかわらず、戦いに身を投じるのか、この部分は物語を動かす重要な部分になり得るはずだ。
また、この映画は、アクション&ロマンティックであると宣伝されていた。
だとすれば、DeuとSanimの恋愛模様はもう少し描かれていいと思う。描かれる為には、Sanimの彼女が生きていることも、それを助けようと奮闘するのも、もしかしたら、無くていいシーンだったのかもしれない。
既に彼女は死んでいて、彼は自暴自棄で荒れている、戦い方も荒っぽい。
そんな彼が、さらわれそうになったDeuを救い、死んでしまった彼女の二の舞にならないように戦い方を教えるという展開だって在りだと思う。
興行的にも今ひとつの理由は、シナリオとしてダメダメな部分なんじゃないかと思っています。
ただ、アクションは見せ場もあるし、ジージャーのいろんな表情が見られる点は良かったのですが・・・・。
それと、涙とかニオイとかというカルト的な部分は、全然OK、これに関しては、物語の中でどう見せるかの問題だけで、このことが、シナリオ的にダメだとは思わないです。
少し気になるのは、最初に発表されていたポスターからイメージするストーリーとはずいぶん違う気がするので、もしかしたら、シナリオが何度となく変更になったりしたのかもしれません。
| 固定リンク
「チョコレート・ソルジャー」カテゴリの記事
- Festival Nits de cinema oriental de Vicにて名誉賞を受賞(2019.08.18)
- 「チョコレート・ソルジャー」がGYAO!で無料配信中(2017.10.01)
- 12月にチャンネルnecoでジージャーさんの作品が放送されます(2014.12.01)
- 10月、チャンネルNECOでジージャーさんの特集(2014.09.05)
- itunesでジージャーさんの出演作が販売中、Youtubeでは、レンタルしてます。(2013.12.08)
コメント